自剛天真流の教え

ここでは自剛天真流の教えの数々を説明しています。


《刀について》
《手の内》                   《足腰について》    
《技について》              《技の種類について》     《撞木足》        《歩み足》
《鯉口の切り方》           《抜刀の仕方》      
《納刀の仕方》"血振り"       《納刀の仕方》"その2"

《手裏剣》


《刀について》
  自剛天真流抜刀術で使用する刀は次の特徴があります。

鞘に鉛 鞘に鉛を入れた様子


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《足腰について》
  お尻を後ろに突き出す。すると体が前に傾くので,補正する要領で膝を曲げ、腰を落として体勢を垂直にする。
歩く時はつま先ですり足で、体が上下しないように歩く。

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《技について》
  自剛天真流では他の流派に見られるような、技に初心者用とか上級者用とかの差別はありません。
全員同じ練習をします。
自剛天真流では、途中で動作を止める技はありません。
初心者は、刀を振って止め直ちに次の動作に移る際、確実に止める
(つまり確実に相手を斬った事を確認する、流してはいけない)
そして次の動作に移る様指導はありますが、その程度です。
(でもこれが大切なのです)

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《技の種類について》
   自剛天真流の技は10本です。少ないのでは?というご意見があるのも事実です。
自剛天真流では正規の10本以外にも幾つか技がありますが、
これらはあくまでも「正規の10本」に対する「応用編」であると考えています。
例えば正規の「三方斬」は立ち技ですが、正座からの”座り技”としての「三方斬」もあります。
「応用編」も時々稽古しています。

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《鯉口の切り方》
   鯉口部分を左手で強く握ると、手の力で自然と鍔を押しだされるので、 それから親指で軽く押す。

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《抜刀の仕方》
   右手にて柄を握ったあと、柄を“抜く”のではなく“押す”要領で抜刀する。右肘を張るのではなく、抑えること。
鞘は水平にし、鯉口を左に向けながら抜刀する。

  具体的には次の様になります。
(1)左前方に押しながら刀を抜く事で
(2)大きく抜く事で抜刀に勢いをつけ
(3)抜きつけでも相手を確実に斬る

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《納刀の仕方》 "血振り"編
  相手を切った後、残心、血振り、そして納刀を行います。
実戦でこのような動作をする訳ではなく、あくまでも刀の扱い方を訓練するのが目的です。

正面を見ながら残心 正面を見ながら残心をします


体を右に向ける
体をゆっくりと右に向ける
剣はあくまでも相手の死体に向けておく


鍔元から切先迄指で拭
左手を柄から離し、
刀の棟を親指と人差し指で挟み、
鍔元から切先迄指で拭う


刀を右回りに大きく回転させる
左手で切先を挟んだ状態で
右手を持ち替える
右手を外に向け、人差し指と中指で柄を挟み
刀を右回りに大きく回転させる
左手は鯉口を握る

左は、回転した刀を鯉口で受け止めた所


納刀
鞘を前に出しながら納刀していく


納刀 鞘に収まった所


納刀終 納刀が終わった所


最後まで残心
納刀が終わった所
最後まで残心を怠らない


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《納刀の仕方》その2

   左手にて鯉口を握り横にしながら、鞘を右手45°位に傾ける。

同時に右手にて刀身の切先を鯉口に近づけながら納刀に入る。次に、鞘を前に出しながら納刀し、納刀し終わったら鞘を元の位置まで引き下げる。

鯉口を丸く囲む

鯉口を丸く囲む
鯉口は上図のように親指と人差し指で 丸く囲む


親指と人差し指で刀を挟む
親指と人差し指で刀を
挟むようにして納刀して行く


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《撞木足》 (”しゅもくあし”と読みます)
   撞木足の”撞木”は寺院の釣り鐘を突く棒のことです。撞木足はこの釣り鐘を突く時の姿勢を保つのが良いとされています。これは体を前後左右へ自在に移動するのに自然な足さばきです。逆に禁止していた流派もあります。

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《歩み足》 (”あゆみあし”と読みます)
   前後に動くとき、普通に歩く時と同じように右足・左足の前後を入れ替えて移動する足捌きを”歩み足”と言います。
逆に、剣道のように常に右足が前、左足が後の足捌きを”送り足”と呼び、採用している流派もあります。

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《手の内》
   映画やテレビの時代劇では、竹刀剣道のように柄を握るとき左手は右手より大きく離して柄頭付近を握っているが、これでは刃筋は通らず、刀は曲がったり折れたりして、 斬れ味も悪く、敵に致命傷を与える事は出来ません。
右手は添えるだけで、左手は右手から親指一本分、または他の指の二本分を右手から離して握り、左手小指に力を入れて握り、薬指、中指と順に力が弱くなり、親指と人差し指は力を抜いて握る。右手は力を抜いて柔らかく握ります。
袈裟斬りなどは左手七分右手三分の力配分で、斬る瞬間に両手の親指を内側に絞り込む。
据え物斬りは左手六分右手四分の力配分となります。


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《手裏剣》

 手裏剣(根岸流)の練習も行っています。

根岸流手裏剣は”棒手裏剣”を”直打法”で打つのが特徴です。
手裏剣の打ち方には他に”直打法”及び”回転打法”があります。
直打法は手裏剣の剣先を前方に向け、手裏剣を回転させずに打つ手法です。
反転打法は剣先を手首側に持ち、180度反転させて打つ手法で直打法と同様に難しい打法です。

福岡には「筑前藩伝鎮火祭火魔封火打釘」が伝わっています。
この「筑前藩伝鎮火祭火魔封火打釘」も”直打法”で、”鬼面”を的にして練習を行っており、
現在の「甲乙ム」を組み合わせた図版(思無邪:”思いに邪なし”を意味する)へと変化しています。

この「筑前藩伝鎮火祭火魔封火打釘」が生まれた理由は天正17年4月まで遡るようです。
黒田如水が中津を中心とした豊前を封じられた時、地侍の頂点に宇都宮氏がおり黒田如水と対抗していた。 激しい抵抗に謀略を持って宇都宮氏を誘殺している。 中津市の合元寺の壁は元々白壁だったが、戦いの血で幾度も塗り替えても血痕が絶えないので遂に赤壁に塗られたと言い伝えられている。

手裏剣の尾部  手裏剣の尾部は木綿糸を着けている



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